2011年11月29日火曜日

stay hungry stay foolish(AR○兄弟の未来講座を終えて)

人生ではじめて講座というものに登壇して、自己紹介をしようと思ったら、何言っていいかわからなくなって、人生ではじめて困惑で唇が震えました。どぉーも、みよっこです。
最近、やっとひらがなの「みよっこ」に慣れつつあります。

さて、昨日は「AR○兄弟の未来講座」というのに出てきました。ま、出たっていっても、なんとなく座ってるだけな役でしたけど。まぁ、どんな講座か気になった人はhttp://tweetvite.com/event/AR13で確認してもらうことにして、その最後のほうで、

「スティーブ・ジョブズやgoogleの創設者たちはThe Whole Earth Catalogueというカウンターカルチャーな雑誌から多大な影響を受けていました。(iphoneの壁紙がその雑誌の表紙だったくらいに)なんででしょう」

という質問を、MC的な人からぶっこまれました。

「知らんわ!」

と、思わずいいそうになりましたが、ごくんと言葉を飲みこみました。そんときは、なんとなく思ったことをくちばしりましたが、ふと考えてみると日曜に行ったドラクエ展の堀井雄二の企画書につながる気がして、つづることにしました。
堀井雄二の企画書
堀井雄二の手書きの企画書のなかで、「スタートとゴールを同時に示す」という項がありました。ドラクエⅠでは、最初の街を出ると、マップ上、海を隔てたところにラスボスの城が見えるという設計になっているそうです。
当時、RPGというものは全然こどもに遊ばれてなくて、だから、初めてプレイしたこどもに「あ、あそこを目指すんだ!」ということが一目で分かるようにしたそうだ。

そんとき、僕ははっとしました。その当時、おそらくアクションゲームが主流で、「ゴールはまっすぐ進めば必ずあるもの」というのが、きっとみんなの深層心理にあったんだと思う。でも、RPGはまっすぐ進んでもゴールはない。むしろ、いろいろ紆余曲折して、やっと見つかるもの。
でも、そんなことを知らない子どもたちが“ゴールが見えてないRPG”をプレイしたら。きっと「なんだよ、ゴールないじゃないか」「一体何をすればいいんだよ」とプレイを途中で投げ出してしまう気がしました。だから、堀井雄二はあえて、スタートの近くゴールを置いたんだろうなって思ったのです。(たぶん)
前提に気づくことのすごさ
僕にはこの「ゴールは自分で探していくもの」という当たり前な感覚が、当時のファミコンしている人たちになかったことが驚きでした。そこに堀井雄二は気づいて「ゴールを先に示す」という工夫をしたのだと思う。
当たり前すぎて誰もが気づかなかったことを、彼は見つけた。そこがすごかった。

常識を疑え!とよく言うけれど、疑うべき常識は、常識だと分かっていたら簡単に疑えるのだ。疑うべき常識が、常識だと気づくことが最もむずかしい。
地球は丸いだとか
絶対静止空間はないとか
僕はあの子のことが好きだったんだ!とか
当たり前すぎて、それがそうだったんだと把握してなかった事実に、気づくことが最もむずかしい。
stay hungry stay foolish
The Whole Earth Catalogueは、世界で初めて地球を宇宙から撮影した写真を載せた雑誌らしい。そこが、ジョブズたちを生んだ根本だと思った。

「地球は丸い」

21世紀には当たり前として君臨していたこの事実を、写真というカタチで再認識させたThe Whole Earth Catalogue。丸いと言われてたから疑わなかったことを、改めて丸いと知らしめようとしたこの雑誌は、僕に「誰かから聞いた事実ではなく、自分で確かめた事実を信じなさい」と言っている気がしたのだった。

どこまでも貪欲に、どこまでもわからず屋で

それが僕なりの意訳。そして、ジョブズはこの思想に感化されたからこそ、常識を疑い続け、世界を変えていくことができたんじゃないかって思ったんだ。
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