そう母さんが言ったのは、昨日の夜だった。
しばらく母親と話した。そしたら、涙が流れてきた。たくさんたくさん流れてきた。それはばあちゃんが死んだからではなく、母もいつか死ぬんだなと知ったからだった。死という現実より、死ぬかもしれないという可能性の方が、僕にはとても悲しいことだった。
こうやって電話してる声をいつか聞けなくなり、実家に帰っても母さんの顔を見れなくなる時がいつか来る。そういう未来が必ず来るんだと宣告された気がした。
僕ももうそんな歳なのだ。今まで、周りの人が死ぬことがなかったから、ずっと誰かの死について実感を持つことはなかったけれど、もうそんな歳なのだ。
たくさんの人と出逢ったから、いつかたくさんの死を経験するんだろう。一緒にいた時間が長いほど、一緒に笑った時間が多いほど、その人の死は自分に重く重くのしかかってくるだろう。
だから、もっと人と一緒にいようと思った。その人が死んだ時、たくさんたくさん泣けるように、一緒にいようと思った。それは辛く悲しいことなのかもしれないけれど、そうしたいと僕は思った。
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